日々のお問い合わせ対応、どうやって返していますか?
この記事を書いたのは、「返信に効果的なテンプレート」ってありますか?という質問をLINEの読者さんから質問されたことからこれを書いています。
「テンプレート」と聞いて、「うーん?」と思ったわけですね。
テンプレートは、作り方を間違えるとお客様の気分が盛り下がり逆効果
例えばこちら
お客様
はじめまして、在庫ありますか?
ショッパーからの返信
〇〇 様
お問い合わせありがとうございます。・・・①
こちらの商品はまだ在庫がございますので、お取り寄せ可能でございます!
現時点で在庫は確認できておりますが、ご注文までに時間が空いてしまうとなくなってしまう可能性もございますためぜひ、お早めにご検討くださいませ。・・・②
★配送について
現在もコロナウイルスの影響により配送日数の遅延が増えております。
配送トラブルがあった際など、万が一の場合に補償が可能な「あんしんプラス」へのご加入を強くお勧めしております。・・・③
★関税について
商品のお受け取り時に関税がかかる場合は、BUYMA規定により購入者様のご負担となりますこと、予めご了承ください。・・・④
★商品の買付について
ご注文確定後に買い付けを行いますため、ご注文のタイミングによって、万が一お品切れとなりました場合には改めてご案内をさせて頂きます・・・⑤
お決まりの際には、大変お手数ではございますが、今一度「商品コメント」記載内容、及び「取引について」もご一読頂けますと幸いです。・・・⑥
その他ご不明点ございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
何卒よろしくお願い致します。・・・⑦
このお問い合わせを見て、あなたはどう感じましたか?
- 丁寧な対応
- 私もこうやって、返事の最後に配送や買付の説明を書いている
と思った方もいると思います。
でもこれは、本当にいい問い合わせ対応なのでしょうか?
先ほどの返信での構成は、
①問い合わせのお礼
②質問への回答
③~⑤ 購入時の案内
⑥さらに購入時にお取引ページを見るよう念押し
⑦締めの言葉
という構成で文章が組み立てられていました。
一見丁寧にお問い合わせの返答がされているように見えますが、この中でお客様の求めている情報はどこなのでしょうか?
答えは②のみです。
お客様はまだ購入すると決めているわけではないので③~⑤の購入時の情報はいらないし⑥の念押しするような文章はそれに輪をかけて鬱陶しさが増しています。
さらに多くのショッパーが気づいていないことがあるんです。
それはBUYMAのユーザーは8割以上がスマートフォンでBUYMAをチェックしています。
BUYMAからアプリを見て見るとわかると思いますが、お問い合わせ欄は”チャット形式”
実際の2つの例を並べてみました。
- 右は先ほどの例
- 左は私が30万の某ブランドのジャケットの問い合わせ対応をした時の例
横列で全角18文字までしか入りません。ですので、長文でのテンプレート返信は、想像以上に長く、お客様にとっては不快に写ります。
普段LINEで友人とやりとりをする際、長文で返事が帰ってくると「ちょっと読むの面倒だな・・」と思ったことはありませんでしょうか。
お問い合わせ欄はチャットです。お客様への礼儀は大切にしながら、
「お客様が読みやすい問い合わせ対応」
をしなければいけません。
ハイブランドだから丁寧さを出すために長文じゃないといけない、ミドルブランドやプチプラだから短い文章でいい。これも違います。
お客様へのサービスの質のレベルと、文章の長さは全く関係ありません
本当にお客様に素晴らしいサービスを届けようと思うのであれば、お客様がメッセージを受け取った時にどう感じるか。ここが一番大事なポイントです。
面白い話が、国際便でCAの方々がファーストクラスにお乗りになるお客様への接客に関する話です。
ファーストクラスですので、アルコールも出ますし、豪華なお料理が機内では提供されます。
機内では、CAの方が、高級ホテルとも引けを取らない接客で、贅沢な時間を優雅に楽しまれるお客様をおもてなしするのだろうと想像します。
ですが、あまりそういったお客様はいないのだそうです。
食事を提供しても
「食事はいらない」
「到着まで起こさないで」
と、ずっと眠っていらっしゃる方や
「声をかけないで」
とフライト中は一切のサービスを拒否され
帰り際には
「居心地のいいフライトありがとう」
と感謝の言葉を述べられることもあるのだそうです。
ファーストクラスに乗るお客様は、出張等で利用するエグゼクティブのお客様が多く、そういった方は決まって「忙しく、時間がない」。ファーストクラスに乗る目的は一番グレードが高く居心地の良い環境を選ぶことで、機内で仕事をしたり、十分な睡眠を確保することするためなのです。
だからCAはお客様が居心地よく過ごしていただけるよう、そういったお客様には必要以上に声をかけず、機内サービスも行わないようにするということでした。
本当に良い接客とは
「お客様にとって一番最適な対応をすること」
であることが理解できる話です。
お問いわせ対応はドッジボールではなくキャッチボールです。
お問いわせ時には、何を伝えることがお客様が欲しい情報を得られ、お買い物をスムーズに進めていただくことができるか。
これを念頭に置き、コミュニケーションを測ってみてください。