こんにちは!BUYMAコミュニティ「Bラン」の主宰、藤野アン( @anne_mama_buyma )です。
今回はその関税は払うなについてお話ししていきたいと思います。
タイトルを見て衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか?
日本に住んでBUYMAで活動をしていると日本に商品を輸入して販売することが多いですよね?
海外から日本に商品を輸入するときには必ず税関を通過します。
だけどBUYMAのホームページを見ても関税について詳しい説明はありません。
- 関税がいくらかかるか不安
- 前回同じ商品を仕入れたはずなのに関税額が違った
- 国際郵便
- 関税がかかったりかからなかったりするのはなぜ?
関税に対する不安はBUYMAをしていると常につきまといます。
実際に私もそうでした。
- 配送会社によっても関税価格が変わる
- カードで支払いができる時もあれば現金飲みの時もある
常に受け身でいるしかなくて毎回の関税額の徴収がとても怖かったです。
関税について知識を増やそうと思って税関のホームページを見ても商品のジャンルごとに細かく関税率が設定されていてよくわからないし、個人輸入・商業輸入の違いもよくわからない。
税関から郵便が届くとそのやり取りだけで数日使ってしまうので1週間税関で商品が止まったままということもありました。
今回は私が実際に東京税関に務めていた元職員の方から直接お話を聞いた関税の仕組みについてお話をして いきます。
税関の実情など実は表では知られていないことが多くあります。
これを知っておくと安心して関税の支払いに備えられたり、お客様に正確な関税に関する情報をお伝えできるようになります。
実は関税を払わなくていいということがあることもこれを見ればわかります。
バイヤーとしても大きくレベルアップできる内容になっていますので最後までご覧ください
関税とは
まず関税とは何かについてお話をしていきたいと思います。
関税は輸入品に課せられる税金のことです。
商品を輸入する際、輸入者は基本的に関税を収める必要があり、関税の他にも消費税、地方消費税を納める必要があります。
関税の支払いを求められたときには
- 関税
- 消費税
- 地方消費税
の3つを納める必要があるということを覚えておいてください。
例えば海外在住のバイヤーや海外の買い付けパートナーが直接お客様に発送した場合、商品を海外から発送する際には配送主が商品の価格や原産国を申告します。
日本の税関に到着すると税関検査が行われます。
申告された内容を元に関税額が決定し、輸入者がその金額を支払います。
日本在住のバイヤーが海外に注文した商品を日本で受け取り発送する場合は、輸入者はバイヤー本人になりますので、海外からの商品を受け取る際には自分で関税を支払います。
BUYMAの商品ページ上で「関税負担なし」と表示させてているバイヤーはすべてバイヤーが先に関税を負担しています。
実際に記載されている販売価格は関税も含まれた商品販売価格ということになります。
この「関税負担なし」と表示されるケースは発送地が日本であることが多いですが、中には発送地は海外なのに関税負担なしになっているケースがあります。
これはどういうことかと言うと
- 関税がかからない1,666円以下の商品を販売している場合
- 商品発送時に関税額と発送用金を同時に支払っておくケース
があるからです。
これは絶対にやってはいけないのですが、バイヤーなどが商品を発送する時に実際の商品価格よりも安く金額を記載して関税の徴収を免れるケースがあります。
これバレると垢BAN、アカウント停止になります。
関税の決定方法
次に関税額はどうやって決まるかについてお話をしていきたいと思います。
関税は最初に申告された情報を元に通関士が確定させます。
すべての品目には基本税率が定められています。
その上で
- 一定期間の間に輸入される特定の商品にかけられる暫定税率
- 発展途上国などから輸入される特定の商品にかけられる特定税率
- EPAやETAといった経済連携協定を結んだ国で適用される協定税率
こういったものがあります。
このうちBUYMAのバイヤーは主に協定税率が適用されることが多いので覚えておいてください。
各商品ごとの基本税率を知りたい方は国税のホームページの中にある実行関税率表を見ると知ることができます。
主に第11部と第12部にアパレル関係の製品が多くなっています。
実際に見ていただくとわかりますが基本税率は
- どんな素材で作られているか
- どんな編み方をしているか
- どんなレザーが使われているか
など、はっきり言って税率を丸暗記するなんてほぼ不可能です。
通関士の方たちはこの実行関税率表を見ながら関税額を設定しています。
BUYMAでよくあるアイテムとしては以下のような関税率がかかってきます。
カバン | 8% 〜 16% |
アパレル | 8% 〜 12% |
革靴 | 30% or 4,300円 の高い方 |
スニーカー | 8% |
革の財布 | 10% 〜 16% |
アクセサリー | 10% |
関税計算は通関士が1件ずつ関税を計算します。
先ほどお伝えしたような細かな品目設定のどれに当てはめるかによって関税金額に誤差が生じることがあります。
このため同じ商品を輸入したのに先月と今月では関税額が違ったということが起こるわけなんですね。
万が一関税金額について問題があると感じた場合は先に関税の支払いはせずに通関担当者に連絡することをおすすめします
国際郵便の海外配送業者の違い
次に国際郵便と国際配送業者の違いです。
海外から商品が届く国際配送には次の2パターンがあります。
国際郵便
まずは国際郵便。
国際郵便は海外の郵便局から発送され税関を通って日本の郵便局員が配達をする行政の配送システムのことです
- USPS
- オーストラリアポスト
- オストイタリー
- イギリスのパーセルフォースやロイヤルメール
ドイツから荷物を送る時のDHLもドイツポストと提供しているので国際郵便扱いです。
国際配送業者
次に国際配送業者。
国際配送業者は民間の配送業者が海外から日本へ荷物を運びます。
- DHL
- FedEx
- UPS
などがこれに当たります。
税関検査はその各配送会社の通関士が行います。
配送のスピード
国際配送業者は速達などの商品のメニューが充実しています。
例えば最短で届けてくれるDHLExpressを使うとヨーロッパから日本への配送は大体5日から7日ほどです。
海外のセレクトショップでもこういった国際配送業者を使って日本まで商品を届けてくれるところが多くなってきています。
12月などの繁忙期シーズンでも荷物の輸送に対して大幅な遅れが出ないところも最大のメリットです。
各配送業者から荷物の問い合わせ番号が採番されると現在荷物がどこにあるのかほぼ毎日情報が更新されていくので追跡が追いやすく安心して荷物を待つことができます。
DHLやFedExは関税の支払いが税関の通過時に届くメール案内から支払うことができます。
クレジットカード支払いができるのもいい点です。
国際配送業者の場合は国際郵便と違い基本的に1万円以上の商品は課税対象となると認識しておきましょう。
すべての荷物に関税がかかり関税とは別に手数料を徴収されます。
DHL | 1,980円 または現地で発生した関税・諸税の2%のいずれか高い方 |
FedEx | 1,000円 または関税・諸税の2%のいずれか高い方 |
国際配送業者は国際郵便に比べて商品到着までの所要日数が早い分自分で配送料を支払う場合には割高になっています。
海外在住者や日本在住者がバイマDHL配送サービスを使う場合には配送費用を安く抑えることができます。
一方国際郵便の場合は主にEMSや航空便で商品が届きます。
国にもよりますがイタリアから配送をした場合日本への到着は12週間程度です。
冬の繁忙機には配送遅延が起こるのでさらに遅れます。
国際郵便の場合関税を支払う場合は配達している郵便局員に現金で関税を支払います。
関税額が高額な場合には一度通知が郵便物で届きその後荷物が配送される場合もあります。
国際郵便で関税がかからない理由
国際郵便はなぜ関税がかからないことがあるのかについて説明します。
国際配送業者では関税対象の商品には100%必ず関税がかかるのですが、国際郵便では課税対象だったにも関わらず関税が請求されなかったということがたまにあります。
「関税がかからなかったラッキー!」と喜んだ経験がある方がいるかもしれません。
逆に本当に関税を張らなくていいんだろうかと不安になった方もいるかもしれません。
結論から言うと払う必要はありません
実は国際郵便の税関では麻薬など禁止薬物の輸入を取り締まることが最優先業務なんです。
毎日山のような荷物量をこなしていくために、法的に定められた税関職員の権限により商品によって税関検査を見送ることを認められているのだそうです。
そのため特に個人輸入で少額な関税額の荷物については完全の徴収を受けずに手元に商品が届くことがあります。
なおこれは通関時の決定事項になりますのでその後追加徴税が来ることは基本的にはありません。
税関から連絡が来た時の対処法
税関から連絡が来た時の対処法です。
税関から電話もしくは郵便で荷物についての問い合わせが来ることがあります。
- インボイスが荷物に含まれていなかった
- 商品の素材に関する確認
- 個人輸入なのか商業なのかの確認
といった内容が主です。
税関から郵便で連絡を受けた場合には転送にかかる日数を考慮すると電話で税関に連絡を入れるのがベストです。
インボイスの不備など資料が必要な場合には、電話で伝えられるメールアドレスへ資料を送ればその日のうちに通関を通すことができます。
また必ず税関からの連絡では事実を伝えましょう。
お客様に販売する商品を仕入れたのに「個人用です」と言ってはいけません。
海外在住のバイヤーなどでお客様が税関から連絡を受けた場合は速やかに対応を案内しましょう。
税関からお客様がインボイスを求められた場合は、BUYMAでの販売価格がわかるメールなどの資料を送るように伝えてください。
お客様が連絡を受けた場合は個人輸入になりますので販売価格の60%に関して関税がかかります。
バイヤーの皆さんは個人事業主もしくは法人さんですので商用輸入が基本になります。
税関発給コードの取得をおすすめします。
過去の輸入実績が蓄積されますし、スムーズな痛感作業が行われるメリット。
また関税支配を口座引き落としにすることもできます。
BUYMAのバイヤーが抑えるべきポイント
ではBUYMAのバイヤーとして抑えるべきことをまとめたいと思います。
- 事前計算した関税額は目安と考えること
- 国際郵便と国際配送業者では通過の対応に違いがあるということ
- 完全支払いは国際郵便は現金のみ国際配送業者の場合はクレジットカードが使用できることもある
- 国際郵便は見本でいた関税がかからないケースがある
- 荷物に対して税関から連絡を受けた場合は電話対応がベスト
またお客様が後から関税を負担する海外配送の場合、バイヤーはまず注文を受けた後におよその関税額を必ず伝えましょう。
そして税関からお客様に連絡が入った場合のサポートていねいに行うことが大事です。
商品の輸入に慣れてしまっているバイヤーは気にならないかもしれませんがお客様は関税を支払うことに恐怖感を感じている方も少なくありません。
クレームはよく関税のことが分からない恐怖から起こりますからしっかりとフォローしてあげてください
アンからのメッセージ
ここまで関税について理解できたならあなたはもうプロです。
完全の知識があるかないかはライバルと差がつく大きなポイントです。
この記事を最後まで読んだあなたは今後多くのお客様から信頼を寄せられるバイヤーになることができました。
うまく飲み込めなかったことは何度も繰り返し読んで頭の中にすり込んでいってください。
学ぶ意識の高いあなたなら大丈夫。
お客様から今後問い合わせがあった時にはしっかりと完全の情報を伝えられ満足評価をもらえるようになります。
お客様から今後問い合わせがあった時にはしっかりと完全の情報を伝えられ満足評価をもらえるようになります